こんにちは、しましまです。
今年の大河ドラマが始まったばかりの第2話ですが、早くも大きくなった吉之助が活躍します。
主演の鈴木亮平さんは、相撲部屋に通って体を鍛えるなど、非常にストイックな役者さんです。
見事に筋骨隆々な身体を作り上げました。
しかし、ドラマの中では吉之助はまだまだ未熟な若者です。
泥にまみれ、涙を流し、自分の力の無さを思い知らされます。。。
さて、今回も大河ドラマ『西郷どん(せごどん)』の名言を見てみましょう。
※少々ネタバレがありますので、ご注意ください。
まずは年貢の納め方を解説します
第2話は、年貢をどのように納めるかということを知らないと話についていけません。
ちょっとだけ、当時の年貢の納め方の解説をさせてくださいね。
ドラマの中で吉之助は、今までの年貢の徴収方法ではなく、検見取(けみどり)により年貢を徴収したいとの嘆願をします。
検見取(けみどり)とは
米の取れ高に応じて、年貢の量を決める方法です。
検見法(けみほう)と言う方が一般的のようです。
その年の年貢量を決めるために、まず一坪分の収穫を測定します(坪刈)。
そしてその量に応じて田畑全体の収穫量を決めるという流れになります。
凶作の時には年貢の徴収量を少なくしてもらえるため、一見よさそうに思えますが、非常に多くのデメリットがあります。
毎年毎年、年貢の量を検査するため、その土地の役人には非常に多くの手間がかかってしまいます。
そして、すべて人手で検査していたため、役人のさじ加減一つで年貢の量が決められてしまいます。
役人に目をつけられてしまったらひとたまりもありませんから、農民は賄賂に走ってしまうのです。
また、検査が終わるまで農民は農作業を中断しなければならず、他の作物の植え付けができないという問題もありました。
一方で、検見取では無い今までの徴収方法は何かというと定免法(じょうめんほう)になります。
定免法(じょうめんほう)とは
毎年一定の年貢を取り立てる方法です。
これは徳川吉宗の『享保の改革』で広く採用された方法です。
取り立てる量は、過去の収穫高の平均から求め、その後数年間は一定の年貢を納めればよいということになります。
毎年一定の年貢を徴収できることで、幕府の財政は安定したと言われています。
毎年毎年、年貢量の検査をする必要がなく、役人側の手間はほとんどかかりません。
農民にとってもメリットがあり、年貢の量が変わらない間に新しく田畑を開墾すれば、収穫はすべて自分のものとすることができます。
ドラマのように、農民たちはこっそりと自分の田畑を広げることが多くあったようです。
凶作時には非常に厳しいこの方法ですが、農民の開墾意欲を駆り立てる優れた制度だったのです。
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多少の賄賂は必要!?調所広郷の名言
さて、名言を見てみましょう。
成長した吉之助は、農政をつかさどる役職についていました。
しかし、その年は凶作。多くの農民が生活に困窮し、娘を売らなければならない者も出始めました。
吉之助は、薩摩藩の政治を担う中心人物、調所広郷に検見取での年貢徴収を直訴したのでした。
調所広郷は、検見取でのデメリットをよく知っていました。
検見取では非常に多くの手間がかかること、賄賂が横行することを説く調所広郷に、吉之助は食い下がります。
現状でも賄賂は横行している、民は苦しんでいると。。。
そんな吉之助に調所はこう言います。
多少の不浄金が回ろうとも、年貢の取り立てがうまくいくなら、そいもお家のためじゃ。
そう言いながらも結局調所は、吉之助に検見取による年貢徴収を許します。
うまくいかないことを承知の上で許しただけだったのでした。
仕組みを憎んで人を憎まず
。。。さて、今回取り上げた調所の言葉は、少なくとも名言では無いですね(汗)。
非常にあくどいセリフになっています。
しかし、お家のためなら自分は悪にもなるとの覚悟も感じ取れます。
民を守るための藩という組織の中でも横行する賄賂。
企業のコンプライアンス(法令順守)が叫ばれる昨今ではあってはならない状況です。
そもそも、なぜ賄賂が横行するのでしょうか??
その問いの答えは非常にシンプルです。
仕組みが整っていないからです。
末端の人間に負担のしわ寄せが来てしまうのも、中間管理職が密かに不正を働いてしまうのも、その人たちの努力や自制心が足りないわけではありません。
人間も追い詰められれば、他人のことなど考えず自分のことで精いっぱいになってしまいます。
これはマズローの欲求5段階説でも説明されています。
マズローの欲求5段階説で、一番根底にある欲求は生理的欲求ですね。
これは食べたい・寝たいなど、生きるために必要な最低限の欲求です。
生きていくためには、なんでもやるしかないのです。
現代の会社という組織では、たとえ末端の人間が不正を起したとしても、まず責任を取らなければならないのは経営者です。
つまり、不正を起した人間が悪いのではなく、不正が起きてしまう仕組みで会社を経営した、経営者側の責任となるのです。
ビジネスマンは次のことを肝に銘じなければなりません。
仕組みを憎んで人を憎まず
不正に限らず失敗や怠惰など、会社で起こりうるあらゆる問題を”人”の問題として見てはいけません。
“仕組み”を変えることで、問題が起こらない状況を用意してあげましょう。
これは、経営者だけでなく会社を良くしたいと考える人間が持つべきマインドです。
不浄金もやむなしと言った調所広郷。
彼もまた島津斉興の体制のもと、苦悩する中間管理職だったのかもしれません。
史実では、薩摩藩の財政を立て直した救世主です。
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最後に。。。
いかがだったでしょうか。
ちょっと話が大きくなりすぎたかもしれません。
歴史を学ぶ皆さんの助けとなるようなブログを目指して行きたいと思います。
ここで、私が昨日考えた名言を紹介します(笑)。
歴史を学ぶことは、人生どう生きるかという一生をかけて解かなければならない難問の、過去問を解くことである。
さて、主演の鈴木亮平さんも歴史好きです。
西郷どん主演、鈴木亮平さんが持っている世界遺産検定1級の難しさは?
これからも大河ドラマを通して、一緒に歴史を学んでいきましょう。
以上、しましまでした。
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