部下を叱ることができない。
上司には頭が上がらない。
自分自身の優しすぎる性格では、サラリーマンとしてやっていけないのでは無いかと不安に思う人もいるかも知れません。
実は私もそんな一人です。
後輩からは「そんなに優しすぎると人生損しませんか?」と言われるほど、第三者から見ても優しい性格のようです。
厳しいよりも優しいほうが良いでしょう。
そう思ってはいるのですが、時々不安になることがあります。
その優しさが仕事で裏目に出ることがあるからです。
おそらくこの記事にたどり着いた方も、同じような悩みを抱えていると思います。
優しすぎることに悩むビジネスパーソンに、世渡り術をお伝えしたいと思います。
優しすぎると損をする?
優しすぎる性格はときに仕事において不利な状況を作り出してしまいます。
例えば次のようなシーンです。
八方美人になる
優しすぎる性格の人は、他人を否定することに慣れていません。
小心者と言われればそれまでですが、ビビってしまっているわけではないのです。
もし相手が「1+1=3」なんて言い出したら、否定します。
でも仕事において、100%否定できることってなかなか無いものです。
例えば、部下が提案してきた新サービスの企画書がイケていなくても、100%それがヒットしないとは言い切れません。
例えば、上司がプロジェクトの失敗を私の些細なミスのせいだと言ってきたとしても、100%それが原因ではないと言い切ることもできません。
否定したい気持ちをぐっと抑えて、わずかにでも可能性が残る相手の意見を汲んであげている。
誰も否定しないので、気がつけば八方美人になっていて、疲弊する毎日。
優しすぎる人の典型的なパターンです。
他の人にお願いできず抱え込む
優しすぎる人は、自己犠牲の精神がバツグンに高いのです。
何かをやらなければならないときに、相手に頼むよりも自分がやってあげようと脊髄反射で動いてしまいます。
チームメンバの能力を理解していないわけでは無いのです。
〇〇さんにお願いすれば自分より早くやってくれるだろうと考えれば分かるのですが、相手の忙しい様子を少しでも感じ取ってしまうと、これ以上お願いすることはできないと、勝手に思いとどまってしまうのです。
自分でやる選択をするのは簡単です。
そして、自分のタスクがどんどんと積み重なっていく。
いつの間にか首が回らなくなってしまいます。
なめられやすい
優しすぎる人は、全てを許し、全てを受け入れます。
あまりに優しすぎるので、ひとたび許された相手は調子に乗ります。
なめられてしまうのです。
優しすぎる人は、そんな人に対しても反撃することができません。
優しすぎるがために、怒ることができず(怒り方を忘れてしまっているのかも知れません)、歯止めが効かなくなります。
何でも受け入れて、何でもイエスと答えてしまう優しすぎる人は、悪い人から見るとただ都合のいい人でしかありません。
利用されるだけ利用され、尊重されることなどありません。
優しすぎる人の世渡り術
これまで見てきたように優しすぎる人は、仕事において損をしやすい傾向にあります。
そんな人が、会社で生き残る、さらには出世するためにはどうしていけば良いのでしょうか?
その優しさは誰に向いているか?
優しすぎる人に問いたいと思います。
その優しさは誰に向いているのでしょうか?
目の前の同僚でしょうか?
仕事でお付き合いしているお客さまでしょうか?
それとも家族でしょうか?
優しすぎる人は目に見えるすべての人に優しくしようとしてしまいます。
しかしそれは不可能なのです。
同僚に優しくしようとして残業を手伝ってあげたとします。
その分家族と過ごす時間が減ってしまうことになります。
お客さまを思って、なるべくお客様の条件を受け入れてしまったとします。
そのしわ寄せを食らうのはあなたの同僚かも知れません。
ここで冷静に考えてみてください。
あなたの優しさは誰に向けるべきなのでしょうか?
あなたの一番大切にしたいものはなにか、という質問と等しいかもしれません。
「あなたの優しさを何に向けるべきか」をはっきりさせることで、逆に厳しさを持って対応しなければならない場面が出てくるはずなのです。
同僚が残業をしているのはなぜでしょうか?
それが同僚の怠慢であれば注意する必要がありますし、上司の業務割り振りが原因であれば上司に掛け合う必要があります。
お客様の要件は、本当に受け入れることが正しいのでしょうか?
受け入れることで職場が疲弊し、質の高いサービスを提供できなくなるかも知れません。他のお客様からは不公平だと言われるかも知れません。
もしあなたが目先の相手にさえ優しくできれば良いと考えていれば、そうしても良いです。
でも、本当に大切にしたいものが他にあるのであれば、目の前の相手に厳しくする必要が出てきます。
今まで脊髄反射で振りまいていた優しさを、しっかりと頭で考えてから振りまくようにしてください。
もう他人から八方美人とは言わせません。
怒る・叱るは必要なし。優しく正しい情報提供をするべし
優しすぎる人は、ときに勘違いをしてしまい、他人に厳しくすることも社会人としては必要だと思っているかも知れません。
たしかに、叱り飛ばす上司の元で鍛えられた部下は短期間で仕事を覚えているみたいだし、ベンダからも恐れられる同僚は不可能と言われた短納期案件を見事成功させたりします。
結局のところ、他人を怒ったり叱ったりできない優しすぎる人は、会社で出世できないのでは?と考えてしまうかもしれません。
しかし、私はその考えに異を唱えます。
怒る・叱るで相手に言うことを聞かせようとする行動は、恐怖で相手を縛ろうとすることです。
それがうまく行かないことは、本能寺の変で信長が討たれた事により明白です。
恐怖で縛ることは、短期的には結果を残しますが、長期的に見れば愚策でしか無いのです。
ではどうやって、相手に言うことを聞いてもらうのでしょうか。
答えは、正しい情報提供を行うことです。
それをすることで相手にどんなメリットがあるのか?
どんなデメリットもはらんでいるのか?
すべてひっくるめて説明し、その上で相手に判断してもらうのです。
怒る必要などありません、あなたはひたすらに誠実に優しく情報をインプットすればよいのです。
これにより相手との信頼関係も築かれていきます。
気がつけば周囲から信頼されるあなたは、出世街道を進んでいることでしょう。
まとめ
まとめます。
優しすぎる人は次のような困ったことがおこります。
- 八方美人になる
- お願いすることができず抱え込む
- なめられやすい
優しすぎる人でも、うまく世渡りするためには、出世するため人はどう考え行動すれば良いのでしょうか?
- その優しさを誰に向ければ良いかを考える
- 怒る叱るではなく、正しく優しく情報提供し良好な関係を築く
優しすぎる性格は、何も悪いことではありません。
しっかりと自分の特性を見極めて、世渡り上手になってください。
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