※2017年に『「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群』が登録されたため、更新しています。
こんにちは、しましまです。
前回は1999年までに登録された世界遺産を紹介しましたね。
2017年現在の日本の世界遺産21個まとめ(前編)
今日は、2000年以降に登録された世界遺産を見ていきましょう。
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琉球王国のグスク及び関連遺産群 2000年 文化遺産
皆さんの大好きな沖縄にも世界遺産がありますね。
一番有名なのは、首里城跡でしょうか。他にも城跡がいくつか登録されています。
残念なことに各城は、第二次世界大戦の沖縄戦ですべて焼失してしまいました。
現在の首里城はその跡地の上に建てられているのです。
残った城壁は今も修復を重ねながら、保存に努めているとのこと。
TBSの世界遺産の番組で、藤原竜也が修復を手伝った映像がありましたね。
とても曲線が優美な城壁と言われていて、それだけでも楽しめますよ。
紀伊山地の霊場と参詣道 2004年 文化遺産
世界でも珍しい道の世界遺産です。熊野古道と呼ぶ方がなじみ深いでしょうか。
道が世界遺産になるのは珍しく、他にはスペインやフランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路くらいしかありません。
日光の社寺と同じく神仏習合をあらわしたり、富士山と同じく修験道の聖地となっていたりと、他の世界遺産との共通点もたくさんありますね。
そして、日本で初めて文化的景観が認められた世界遺産でもあります。
これまた、のちに紹介する石見銀山遺跡との共通点になってます。
私はいつかこの参詣道を徒歩で制覇したいと考えています。
知床 2005年 自然遺産
知床は、世界最南端の季節海氷域です。
季節海氷域とは、一年のうち特定の時期だけ、流氷で被われることがある海域を指します。
実は世界で最も緯度の低いところで海水が氷結する場所なのです。
またしても世界一ですね!
この流氷が融けたり凍ったりする海域では、海水が適度に撹拌され、海底の養分が舞い上がります(鉛直混合)。
すると、プランクトンが爆発的に多くなるそうなのです。
プランクトンと言えば、食物連鎖には欠かせない最初の生物ですよね。
そう、知床はプランクトンからサケ、そしてシャチやヒグマまでの一連の食物連鎖を見ることができます。
石見銀山遺跡とその文化的景観 2007年 文化遺産
石見銀山遺跡は文化的景観を持った世界遺産です。
先ほどの紀伊山地の霊場と参詣道と同じですね。
まず文化的景観を説明したいと思います。
世界遺産の登録が始まった当初、対象となるのは不動産であるという取り決めだけのもと選定されていた経緯がありました。
しかし、それでは西洋の石造りの建造物群ばかり登録されるという偏りのある選定事例が重なってしまいました。
その反省を踏まえ、人間と自然が調和して作り上げてきた環境や景観を評価しましょうとのことで文化的景観の概念が生まれたのです。
石見銀山は、銀山であるにも関わらず、その自然環境がいまだに残っています。
本来採掘業には、山を削ったり木を伐採したりと環境破壊が伴うのですが、石見銀山は採掘と植林をバランスよく進めてきたため美しい自然が残されているのです。
人間の努力によって美しさを保っている、とても良い世界遺産ですね。
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小笠原諸島 2011年 自然遺産
日本のガラパゴス諸島として有名です。
ガラパゴス諸島といえばダーウィンの進化論で有名です。
進化論の基本は、生物は異なる環境下に適応して分化する『適応放散』です。
なんと小笠原諸島の各島では、環境が異なるため、同じ種類の生物でもその生態系が全く異なるのです。
面白いですね~。
しかし、そんな小笠原諸島も、ペットの持ち込みや外来種の生物によって、固有種がどんどん減らされています。
なかでも『グリーンアノール』というトカゲにはとても手を焼いているようです。
平泉ー仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群ー 2011年 文化遺産
平泉といえば、あの源義経をかばって、鎌倉幕府に滅亡させられた藤原氏を想像しますよね。
私が学生のころに覚えた語呂合わせを思い出しました。
藤原四代きもひやす (清衡、基衡、秀衡、泰衡)
タイトルにもありますが、浄土を再現しようとしたんですね。
当時は末法思想といって、つまりは現代のノストラダムスの大予言的な世界の終わりが考えられていたので、せめて死んでからは幸せになれるようにと、みんなが浄土信仰を深めたわけです。
藤原氏は、豊富な金の力を持って金色堂や庭園を建立し、その浄土思想を広めました。
当時は京都に匹敵する繁栄ぶりとのことですから、さぞかし栄えたのでしょうね。
富士山―信仰の対象と芸術の源泉 2013年 文化遺産
この世界遺産を自然遺産だと思っている人は多いと思います。
しかし、富士山が評価されているのは、自然ではなく、その文化のほうです。
平安時代から、江戸時代まで富士山は修験道の聖地だったのです。
富士山そのものはご神体とされ、それに対し様々な信仰方法がありました。
- 遠くから拝む「遥拝(ようはい)」
- 登ることが祈りとなる「登拝(とうはい)」
などがあります。私は遥拝しかしたことありません。。。
世界遺産に登録されてから登山者が爆発的に増えた一方で、環境破壊が懸念されました。
保護をどう行っていくかを考えさせられる世界遺産です。
富岡製糸場と絹産業遺産群 2014年 文化遺産
明治時代の殖産興業を代表する遺跡です。
2015年の、大河ドラマ『花燃ゆ』で覚えている人も多いのでは無いでしょうか。
この工場は官営、つまり国が施策として広めていくために作った物なんですね。
それまでは養蚕や生糸作りは個人でやっていたのですが、大きな工場で効率的に作り、日本の貿易の目玉にしようと考えたわけですね。
いわゆる家内制手工業や問屋制手工業から、工場制手工業に移り変わった転換期を表しています。
ここで作る生糸がなければ、日本は西欧列強に負けていたのではないでしょうか。
明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業 2015年 文化遺産
日本で8県23箇所に及ぶ世界遺産群です。
このような離れた場所にあるが、同時期に同じ目的・思想で建てられた物をひとまとめに登録された世界遺産を『シリアルノミネーションサイト』と言います。
中でも人気なのが軍艦島です。
軍艦島は元々は炭鉱の島です。一時期はたくさんの炭鉱労働者とその家族がいたそうですが、閉山した今は廃墟になっています。
その空間がまた、廃墟マニアにはたまらないそうですね。
進撃の巨人の撮影場所に選ばれた場所としても有名です。
ル・コルビュジエの建築作品ー近代建築運動への顕著な貢献ー 2016年 文化遺産
昨年登録が話題になったので、まだ覚えている人もいると思います。
こちらは7つの国(フランス、スイス、ベルギー、ドイツ、アルゼンチン、インド、日本)にまたがった世界遺産です。
ル・コルビュジエはフランス人だけであって、登録推薦国はフランスです。
日本で登録された建物は、上野の国立西洋美術館です。
見た目はそれほど派手じゃないなぁと思ったあなた、甘いです。
例えば、建物の1階部分を柱のみで支え広い空間を演出する建築技法をピロティと言いますがこのル・コルビュジエのアイデアなのです。
たしかに街を歩けば、どの建物でも同じように、その建築技法を見かけます。
よく見かける、どこにでもありそう、つまりそれだけ世の中の建築家に影響を与え、広まっていったということなのです。
ル・コルビュジエの建築群は現代建築の教科書なんですね。
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群 2017年 文化遺産
さて2017年に登録されたばかりの世界遺産です。
古くからの自然崇拝を今に残す遺産群です。
当初推薦していた構成資産のうち、一部が認められないとの勧告を受けるなど話題になりましたが、無事満額回答で登録されるに至りました。
沖ノ島については厳島神社と同様に、島全体が御神体とされる世界遺産です。
その規律は厳しく女人禁制となっていました。
しかし、今回世界遺産に登録されたことで、なんと男性も含めた立ち入りの禁止が発表されています。
富士山の紹介でも触れたように、観光と環境保全の両立は世界遺産にとって重要なテーマです。
世界遺産としての価値をこのまま保ち続けられるか、保存する人たちの健闘が続きます。
まとめ
さて、日本の世界遺産はいかがだったでしょうか。
それぞれの魅力があっておもしろいと感じてもらえたのでは無いでしょうか。
やはり、世界遺産に登録されるものは、見どころがあるものばかりです。
世界遺産の記事を書いているとどうしても旅行したくなるんですよね。
そんな時はストリートビューなどで気を紛らわしています(笑)。
これからは日本の世界遺産のみならず、外国の世界遺産も紹介していきたいと思います。
以上、しましまでした。
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