なぜ対立した意見は平行線をたどるのか?その理由と解決法は意外にシンプルです。

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皆さんは普段、意見が対立する場面を見たことがあるでしょうか。

会社勤めをしている私は、様々な場面で意見の対立に遭遇します。

 

仕事において特に多いのは異なる部門間での対立ではないでしょうか?

営業部門と開発部門の対立、研究部門と財務部門の対立等々、あげればキリがありませんね。

 

また、会社に限らず政治の世界や、皆さんの普段の家庭生活の中でも多くの対立があることでしょう。

対立がひとたび起きてしまうと、平行線をたどってしまうことが多いですね。

お互いが譲らず、相手を言い負かそうとしてしまう。

しかし、相手をやりこむことはできず、戦いは泥沼化してしまいます。

 

今日はそんな平行線をたどる対立を収束に向かわせる方法を一緒に考えていきましょう。

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よくある対立①(会社編)

対立の理由や解決法を見ていくうえで、いくつかモデルケースを考えてみましょう。

例えば次のようなケースが典型的なものですね。

会社の営業部門と開発部門の対立です。

 

営業部門の言い分から見ていきましょう。

<営業部門>

開発部門の作るプロダクトが全く魅力的では無い。営業活動をしても全く売れない。もっと営業側の意見を盛り込んで、お客様の要望を満たすプロダクトを作ってほしい。

 

それに対する開発部門の言い分です。

<開発部門>

開発部門ではすでに世の中のトレンドを盛り込んだ開発を行っている。顧客獲得できないのはターゲットの選定や、効果的な提案が不十分だからではないか。それができないうちに追加開発はできない。

皆さんはこの二つの意見を聞いて、どちらの意見を支持するでしょうか?

 

私はどちらかというと、開発部門よりの職種を経験してきましたので、開発部門の肩を持ってしまいがちです(笑)。

皆さんもこれまで経験してきた部門に近いほうを応援したくなるかもしれませんね。

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よくある対立②(家庭編)

もう一つ、よくある対立の例を見てみましょう。

家族を大切にする奥さんと、会社も大事な旦那さんのやりとりです。

 

まずは奥さん側の言い分です。

<奥さん>

どうしてあなたはいつも帰りが遅いの?仕事を頑張ってるのは分かるけど、飲み会で遅くなることも多いよね?休日はゴルフに行くし。もっと子供と一緒にいてもいいんじゃない?家族と会社どっちが大切なの?

 

それに対する旦那さんの言い分です。

<旦那さん>

飲み会やゴルフも仕事をうまくまわす上で大切なことなんだ。もちろん家族が大切だけどそれでクビになったら、本末転倒じゃないか。それに他の同僚もいる手前、自分だけ抜けることはできないんだよ。

よくある議論ですよね。

 

最近は共働き夫婦も増えてきたので、「家族と仕事どっちが大事?」という質問は、もはや死語かもしれませんが。

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対立する意見が平行線をたどる理由

これまで見てきた二つの対立は、平行線をたどります。

なぜなら、どちらも間違ったことを言っているわけではなく、一見正しいことを言っているからです。

相手を言い負かすことはできないので、議論は収束せず、無駄な時間が流れていきます。

 

なぜ議論が平行線をたどるのか?

それは次のとてもシンプルな理由があるからです。

属している共同体が違うから

ちょっと解説しましょう。

 

共同体とは、その人が生活するコミュニティ(人の集まり)のことです。

家族や会社、サークル活動やママ友。

さらに範囲を広げれば、同じ出身地の人や単に日本人というくくりもありえます。

 

人間は、自分が属する共同体の利益を最大化するように行動する

 

実際にこれまでの例をおさらいしてみましょう。

営業部門と開発部門の例①です。

 

<営業部門>

開発部門の作るプロダクトが全く魅力的では無い。営業活動をしても全く売れない。もっと営業側の意見を盛り込んで、お客様の要望を満たすプロダクトを作ってほしい。

⇒「営業部門」という共同体に属しており、効果があるか分からない営業活動の改善をするよりも、自分達の損にならない開発部門の改善から取り組むべきと考えている。

 

<開発部門>

開発部門ではすでに世の中のトレンドを盛り込んだ開発を行っている。顧客獲得できないのはターゲットの選定や、効果的な提案が不十分だからではないか。それができないうちに追加開発はできない。

⇒「開発部門」という共同体に属しており、自分たちの損にならない営業活動の改善から取り組むべきと考えている。

 

図解するとこんな感じです。

 

営業の人は営業部門の利益の最大化を、開発の人は開発部門の利益の最大化を考えています。

それぞれの共同体に属した立場であれば、それぞれの主張は紛れもなく正しいことを言っているのです。

 

もう一つの例を見てみましょう。

奥さんと旦那さんの例②です。

 

<奥さん>

どうしてあなたはいつも帰りが遅いの?仕事を頑張ってるのは分かるけど、飲み会で遅くなることも多いよね?休日はゴルフに行くし。もっと子供と一緒にいてもいいんじゃない?家族と会社どっちが大切なの?

⇒「家族」という共同体に属している。家族という共同体の利益の最大化を考えているため、それに反する夫の行動を理解できない。

 

<旦那さん>

飲み会やゴルフも仕事をうまくまわす上で大切なことなんだ。もちろん家族が大切だけどそれでクビになったら、本末転倒じゃないか。それに他の同僚もいる手前、自分だけ抜けることはできないんだよ。

⇒「家族&会社」という共同体に属している。家族も大事だが会社も大事であるため、時に家族を犠牲にしてしまうが、共同体全体の利益の最大化を目指している。

 

図解するとこんな感じです。

 

家族が一番大切でしょ、と確信している奥さんにとって、旦那さんの行動は理解できません。

旦那さんは、家族も会社もどちらも大切なので、「家族と仕事どっちが大切なの?」の質問をされると非常につらいのです。

旦那さんは「家族&会社」の利益を最大化するために、時に家族を犠牲にする場面が出てきてしまうのです。

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意見の対立を解決する方法(会社編)

ここからが本題です。

平行線をたどる対立意見を解消するにはどうすればよいのでしょうか。

答えは非常にシンプルです。

 

同じ共同体に属す

これだけなんです。

言葉にすると非常にシンプルです。

しかし、残念なことに行動に移すとなるとこれが大変なんです。

 

考えてみてください。

営業部門と開発部門が対立し、どうしようも無くなれば、最後には社長に判断をゆだねることになるでしょう。

 

そのとき社長は対立する二人に言うのです。

「もっと会社全体のことを考えてくれ。」

 

これはすなわち、営業部門でも開発部門でもなく、「会社」という大きな共同体に属してくれと言っているのです。

図解するとこんな感じです。

こうすると確かに方向性がひとつに定まりますよね。

具体的には、お互いが歩み寄る折衷案や、比較的リソースに余裕のある部門からの人員増強などいった方策に落ち着くかもしれません。

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同じ共同体に属すために必要なこと(会社編)

同じ共同体に属せば、対立する意見は収束に向かいます。

しかし、実際には同じ共同体に属すという行為は、口で言うほど簡単ではないのです。

 

この理由もシンプルです。

対立する共同体に愛着がないから

愛着という非常に抽象的な言葉が出てきましたが、この言葉が最も適しているのでそのまま利用します。

 

営業部門は、普段からなじみのない開発部門に愛着を持っていません。

そしてその逆も然りなのです。

 

愛着を持たない共同体の利益を最大化しようなどとは誰も思いません。

「会社全体を考えてくれ」と頭を悩ましていた社長は、残念ながら今後も同じことを何度も言うことになるのです。

 

では愛着を持つためにはどうすればよいのでしょうか。

これが一番大変な作業です。

 

愛着を持つためには知らなければならない

 

不思議なことに、相手のことを知れば知るほど愛着を持てるようになります。

営業から見て、開発部門は普段はどのようにして開発を行っているのか、どのような苦労をしているのか。

逆に開発から見て、営業はお客様と何を話しているのか、何に頭を悩ませているのか。

それらすべてを理解すると、相手に対して愛着を持てるようになり、初めて大きな共同体として考えることができるようになります。

 

時系列ならばこのような作業が必要になります。

  1. 自らの情報を開示する
  2. 相手を知ろうとする
  3. 同じ共同体として愛着を持つ

お分かりのように、この作業はとても時間がかかる大変なものです。

しかし、この作業を乗り越えなければ対立は無くならないのです。

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意見の対立を解決する方法(家庭編)

会社での意見の対立を解消する方法を見てきましたが、家庭の意見を解消する方法を見てなかったですね。

家族を第一に考える奥さんと、家族も会社も大切な旦那さんの例②ですね。

 

これも実は一緒なのです。

同じ共同体に属す

 

ここで一つ疑問が浮かぶと思います。

家族という共同体に属す奥さん、家族&会社というより大きな共同体に属す旦那さん。

会社編であれば、より大きな共同体に属すべきというような結論になっていましたが、今回も同じなのでしょうか。

 

残念ながらこれには明確な答えはありません。

あえて言うならば次のようになります。

どの共同体に属すべきかは、人それぞれの判断である

しかし、より大きな共同体に属した方が結果的に幸せになる可能性が高くなる

どの共同体に属すかを決めるのは、結局は人ぞれぞれの判断にゆだねられます。

 

おおげさな例を挙げるなら、地球に住むあなたが何万光年離れた○○星人と同じ共同体に属しましょうと言われても、ピンとこないですよね。

死ぬまでに絶対に会わない人と同じ共同体に属そうと考える必要性がありません。

自分がどの共同体に属するかは、やっぱり自分次第なのです。

 

一方で、属す共同体が狭すぎる場合は、不幸になる可能性が高いのも事実です。

共同体の最小単位は、一人の個人です。

自分自身の利益を最大化しようと頑張るのは構いませんが、人間はいつか死んでしまいます。

そこで利益の最大化はできなくなってしまいます。

共同体が大きければ、自分がたとえ死んでしまったとしても、生き残った人々により利益は最大化されていくのです。

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同じ共同体に属すために必要なこと(家庭編)

話が脱線してしまいましたが、先ほどの奥さんと旦那さんが対立を解消するために何をしなければいけないでしょうか?

これも会社編と全く同じことになります。

 

愛着を持つためには知らなければならない

 

まず行動すべきは旦那さんかもしれません。

自分が属している「家族&会社」という共同体の情報を奥さんにすべて知ってもらうのです。

会社ではどんな仕事をしているのか、どんな同僚がいるのか、会社にとって何が一番大切なのか。

もちろん、どの共同体に属すかは人それぞれですから、奥さんはその情報を知ったうえで、自分がその共同体に属すべきか判断すればよいのです。

 

一方で旦那さんも、会社という共同体から離れ、家族という共同体の中だけで生活するのはどういうことなのかを理解することが必要です。

奥さんにどのようなストレスや不満があるのか、何をしてほしいと考えているのか、など知ることが必要です。

 

お互いの属す共同体についてしっかりと理解しあうことで、最終的に対立した意見を解消することができます。

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まとめ

まとめましょう。

意見が対立する理由は、次のシンプルなものです。

属している共同体が違うから

 

対立を解消する方法は次のようなものです。

対立する共同体に愛着を持つ

 

愛着を持つために何より大切なことは次のことです。

愛着を持つためには知らなければならない

 

今後対立意見が飛び交う場面に遭遇したら、その人たちが何の共同体に属しているかを考えるようにしてください。

そして、平行線をたどっているのは、お互いの共同体について知らず、愛着を持っていないからだと思い出してください。

どんな情報をお互いに持てば、意見がまとまるのかを考えてみてください。

あなたはもう、対立する意見をまとめられるはずです。

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