「あの人は頭の回転が速くて、私はいつも話についていけない。」
「どうしてこんなに疲れてしまうんだろう?」
仕事をしていると必ず一人は、“頭の回転が速い”と思わせる人がいます。
そのような人は他人よりも仕事ができ、職場では中心的な存在になっていることが多いでしょう。
一方で、周囲の人達はどうでしょうか?
頭の回転が速い人を頼もしいと思っている反面、「話していると少し疲れる」あるいは「話すのが怖い」と思っている人も多いようです。
今日は、そんな“頭の回転が速い”人の特徴と、どのように付き合っていけばよいか(対処法)を紹介します。
頭の回転の速い人はどんな人?
頭の回転の速い人の特徴を挙げてみましょう。あなたの職場に次のような方がいるでしょうか?
当意即妙の回答ができる
頭の回転が速い人は、その場ですぐに的を得た受け答えができます。
周囲の人は、その話に思わず納得し、頭の回転の速さを認識することでしょう。
的を得た受け答えをするためには、大きく次の3つの能力が必要です。
①相手の話を理解する
②頭の中の知識や理論を探し出す
③正しい表現で言葉にできる
頭の回転の速い人は、この3つの能力が突出しており、当意即妙の回答をすることができるのです。
多人数の前で、堂々と話せる
頭の回転の速い人は、他の人よりもすぐに答えを導き出すことができます。
すると、多人数の会議では自然と最初に発言をすることが多くなります。
多人数の前で発言することは誰でも緊張するのですが、場数を踏んだだけ慣れることができます。
幼い頃からグループの中心的な存在を担ってきた頭の回転の速い人は、多人数の前でも緊張せずに話すことができてしまいます。
特に重要な会議などの場面では、周囲から期待の目で見られることでしょう。
物事の因果関係・つながりを見通せている
頭の回転が速い人の話を聞いていると、全く理解できない内容が出てくることがあります。
昔のことわざを例に考えてみましょう。次の意味を知っていますか?
「風が吹けば桶屋が儲かる」
普通に考えたら、風が吹いただけで桶屋(桶だけを売る商人)が儲かるわけが無いのですが、頭の回転の速い人はこう考えるかも知れません。
風が吹くと砂が飛ぶ。砂が飛ぶと人の目に入る。人の目に入ると失明する人が増える。失明した人は三味線を弾く。三味線には猫の革が使われるので猫の数が減る。猫の数が減るとねずみが増える。ねずみが増えると桶がかじられやすいので、桶がたくさん売れる。※諸説あります。なお、昔は盲目の人の職業といえば三味線弾きだったようです。
これは極端な例ですが、頭の回転の速い人は物事の因果関係をよく知っています。
その因果関係を皆が知っている前提で話すために、理解できないことが多いのです。
自分より頭の回転が遅い人を理解できない
頭の回転が速くて仕事もできる。その上、人付き合いも上手で非の打ち所が無い。
そんな完ぺきな人ばかりであれば、あなたが悩んでこのサイトを訪れることは無かったでしょう。
“頭の回転が速い”ことが、ときに人間関係をギクシャクさせてしまうことがあります。
頭の回転が速い人は、自分よりも頭の回転が遅い人を理解することができない場合があります。
「なぜこの考え方が分からないのだろう?」
「どうしてこんな簡単なことを難しくやろうとしているんだろう?」
そのように考え、イラついた態度をとってしまう人もいます。
一方で、そんな態度を取られた方はたまったものではありません。
自分なりに一生懸命に考えて発言・行動したのに、”頭の回転の速い”人の心無い一言ですべてぶち壊されてしまいます。
もちろん、相手の意見は正しいことが多いので言い返すこともできません。
このような嫌な経験が積もりに積もって、頭の回転の速い人と話すと怖い・疲れると思ってしまうのです。
頭の回転の速い人にどう対処する?
頭の回転の速い人に対してどのように対処すれば良いのでしょうか?
この章で見ていきましょう。
絶対に自分を責めない
まず一番大切なことからお話します。
絶対に自分を責めないでください。
頭の回転が速い人と話をしていると、さも自分に能力が無いと思い込んでしまう人がいます。
自分がこの仕事をやる必要なんて無い、考える必要なんて無い、自分は役に立たない人間なんだとネガティブな感情に支配されてしまう人がいます。
断言しますが、あなたに能力が無いなんてことはありません。
そもそも、能力がある・ないという1か0で考えることが間違っています。
たまたま目の前にあなたよりも頭の回転の速い人が現れたというだけなのです。
ネガティブな感情に支配されると、思考が停止してしまいます。
このあとお伝えする対処法も実行することが難しくなるでしょう。
あなたの状況がいかに辛いものであっても、落ち込む必要は全くありません。
相手のペースで話をさせないよう質問する
頭の回転の速い人は、早口になりがちです。
聞いている側は、理解するのが大変で、気を抜くと置いてけぼりを食らってしまいます。
相手の話をさえぎって質問をすることで、話を理解する時間を作りましょう。
最初は難しいと思いますので、単純な繰り返しでも大丈夫です。
「〇〇は〇〇なんですか?(相手の話の繰り返し)」
慣れてきたら、具体的な質問を差し込んでいきましょう。
質問する際の便利な表現は次のようなものです。
「私が理解できているか確認させてください。」
相手のペースで話をさせないよう気をつけてください。
メモを取り、あとで振り返る
月並みのアドバイスですが、メモを取ることは有効です。
頭の回転の速い人の考えはすぐには理解できないことがあります。しっかりメモを取り、あとで調べてみましょう。
今度はあなたが頭の回転の速い人に一歩近づくことができます。
メモを取っていることを相手に伝えてあげれば、好感を持たれるとともに、
「いま聞き取れなかったのですが、もう一度お話いただいてよろしいですか?」
という割り込み表現も使うことができます。
1対1で話す
複数人がいる場で、頭の回転の速い人の話を聞くと大変です。
なぜなら他の人に遠慮してしまって質問できないことがあるからです。
「もしかして理解できてないのは私だけ?」なんて思ってしまったら負けです。
頭の回転の速い人とは、1対1で話を聞くようにしてください。
相手はあなただけのために話をしてくれます。
質問し放題ですし、悪い人でなければ話のペースをあわせてくれるかも知れません。
ついでに雑談も挟んで相手の経歴なども聞いてみましょう。
考え方の背景にあるものを理解できれば、さらに相手の話を聞きやすくなります。
距離を置く
これまでお話した対処法のどれも効果的でない場合は、一旦距離をおいてみましょう。
頭の回転の速い人に無理に付き合うと精神が消耗してしまうからです。
自分自身の無力感・劣等感に苛まれてしまい人生を楽しめないのはもったいないのです。
頭の回転の速い人に限らず人付き合いの基本ですが、しょせん相手は他人なのです。
相手を完全に理解することはできないと諦めることも必要です。
逃げることは恥かもしれませんが、回り道をしてレベルアップしてから、また挑んでも良いのです。
まとめ
頭の回転が速い人についてまとめてみましょう。
特徴は次のようなものです。
- 当意即妙の回答ができる
- 多人数の前で堂々と話せる
- 物事の因果関係・つながりを見通せている
- 自分より頭の回転が遅い人を理解できない
対処法は次のようなものです。
- 絶対に自分を責めない
- 相手のペースで話をさせないよう質問する
- メモを取り、あとで振り返る
- 1対1で話す
- 距離を置く
頭の回転の速い人と仕事をすると、自分の無力さを感じることがあります。
だからといって、悩みすぎて楽しくない人生を送る必要はありません。
適切に対処して、自分の心と人生を守りましょう。
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